当社は、2022年度JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業の採択を受け、「RECYINTパイロットモデル起点の戦略的マルチステークホルダー・プロセスによるビジネス化実証」をテーマに掲げ、フィリピンの自動車普及急伸によって今後増加が不可避である使用済み自動車(ELV)の処理に備えるべく、独自のELV精緻解体技術(特許第5131691号)を現地パートナー企業に注入、アレンジし、適正処理と資源効率ニーズを見通したパイロットスタディを政府機関など利害関係者とオープンイノベーションで実施し、カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーのひとつの手段として、雇用を含む環境ビジネスの機会として捉える意識変容を促すこと、そしてリサイクル市場の醸成を図り、循環性に富んだ日本とASEANのレジリエンスなサプライチェーン再構築を目指す活動を行い、「調査完了報告書」として取りまとめた資料がJICAウェブサイトにて公開されました。
JICA採択事業検索:ツルオカ「フィリピン国RECYINTパイロットモデル起点の戦略的マルチステークホルダー・プロセスによるビジネス化実証事業」
当社のRECYINTモデルは、ELV適正処理技術を起点としたリサイクル工場を中心に据えて体系立てた仕組みであり、金属やプラスチックをはじめとした石油製品等の資源効率を追求するプロセス上の利害関係について、今後のサーキュラー・エコノミー型社会のなかで広範な影響を及ぼすことを目指す、発展性に優れた分野での海外ビジネス展開と考えておりますが、現在のフィリピンに意識変容を促し、新しい産業としてこの社会的価値を共有するエコシステムの形成と普及を実現するためには、法整備などの制度設計が強い後押しとなることから、環境(環境負荷低減、天然資源利用抑制)、安全(身体の健康、心の健康)、人権(生命と自由、雇用)、それぞれの問題解決に資することを含めたロビイング活動となる政府機関への適切性、妥当性、有効性のある提言方法や、外国人材の活用(雇用、育成・還流)の最適解について、マルチステークホルダー・プロセス的な支援を必要とし、JICA支援制度を活用させて頂いたものです。
2024年2月に現地パートナー企業らと正式に法人として新会社(EN tsumugi ELV Dismantling Corp.)を設立し、ELVを高度に精緻解体し効率的に選り分ける事業を構築することで、ASEAN諸国のサーキュラー・エコノミーに貢献すべく「社会問題はビジネスで解決する」を信条に、フィリピンでは今後、自動車普及台数の急伸が確実視されるなか、大量生産・大量消費・大量廃棄によってELVが社会問題化した後の状態で、リサイクルシステムを考えるべきか、先進諸国の経験を踏まえた問題の未然防止策として、現時点において最適化できるリサイクルシステムの熟考に取り組むべきかのチキンエッグ問題を言及する契機となるパイロットプラントの運用におけるトライアルアンドエラーを関係省庁や民間セクターに公開し、情報共有することで、スケールメリットと地域循環をバランスよく組み合わせたリサイクルビジネスの在り方についてオープンイノベーションで進め、現地パートナー企業と共にイニシアティブをとれる事業環境構築を図っております。
今後も将来に亘って社会に提供される工業製品に、どのような新しい技術、機能、部品が搭載された場合においても、形あるものいつかは必ず訪れるエンドオブライフ過程で如何に資源循環に貢献できるかが使命であって、そこに事業機会があると考えており、変化を恐れず、明るいビジョンを掲げて邁進できるよう知恵を絞っていきたいと考えております。
【参考】
EN Tsumugiプロジェクト紹介ビデオ
2024年9月30日EN Tsumugi開所セミナーの模様紹介ビデオ
EN Tsumugi(GARAHeco)・Facebook
EN Tsumugi(GARAHeco)・Instagram
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ツルオカ 総務本部 担当:堤(TEL:0285-49-3330、E-Mail:ytutumi(at)tsuruoka.co.jp)
※ (at) は @ に置き換えて下さい。